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「ピエロ」

舞台脇の奴らが 幕を下ろす
この恋はここらで ジ・エンド

観客(オーディエンス)なんて
はじめから居やしない
置き去りにされた舞台(ステージ)で
踊るピエロみたいなもんさ

ゴールラインはもう
とうに越えてきたんだ

恋の台本を知らぬ
哀れなピエロさ
引き際を知らぬ
悲しいピエロさ

舞台脇の奴らが 幕を上げる
これから始まる 恋の予告(ストーリー)

歓声(オーディエンス)なんて
期待しちゃいない
誰もいない舞台(ステージ)で
踊るピエロみたいなもんさ

スタートラインは今
ここに見えてきたんだ

恋の台本を持たぬ
間抜けなピエロさ
追い風を信じる
愚かなピエロさ

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「Vacant Eyes」

部屋にただようタバコの煙が
白くかすんで胸に染みる夜は
時の流れにその身を委ねて
独りの秋を演じてみせる

冷たい風に吹かれても
熱い夏の残り香が
胸に刻まれていたから
独りの夜さえ
想いを抱き締め合えたのに

Shadow in your mind...
Tears in my heart...
I'm just vacant eyes...

部屋に残したあなたの写真が
闇にかすんで見えない夜は
胸の隙間にワインを注いで
グラスのしずくで瞳を濡らす

瞳のしずくで想いを濡らす

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「風の街」

いつものように
ドレスのすその赤い薔薇が
涙の数をかぞえるように
散ってゆくわ

さみしさなんて
とうの昔に知ったはずと
言ってはみても
忘れられない二人だから

風の街で失くした愛を
もう一度私の元へ
「愛や夢や胸の鼓動なんて
今の僕にありはしない」といった

離れないで…

いつもあなたは
愛の城から風の街へ
胸の痛みを部屋に残して
去ってゆくわ

二度とあなたが
扉をたたくことはないと
気付いていても
信じたくない私なのに

風の街で失くした愛を
もう一度私の元へ
「愛や夢や胸の鼓動なんて
今の僕にありはしない」といった

離れないで…

忘れないで…

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「For Every Stars」

僕らの刻んだ愛の何千倍も
大きな愛を見つめてきた
この広い宇宙に
身を預けてみないか

全ての星たちに
この愛を捧げよう

全ての恋する人達に
この星を捧げよう

全ての恋する人達を
星たちはじっと見つめてる

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「捨猫」

傷痕舐め合うように
私の髪に触れないで

子供騙しな慰めなんて
安物の恋愛映画
見たくもない

あなたはただ
わたしを抱きしめればいい
ぬくもりはもらうものじゃない
奪い取るもの

  心は隠すものだと
  あなたに教えられた

  脱ぎ捨てたドレスに
  哀しい雨が降る

言葉を奪い合うように
唇を重ねないで

愛だとか恋だとかそんな
使い古しのフレーズ
聞きたくもない

わたしはただ
あなたを苦しめたいだけ
やさしさは確かめるものじゃない
奪い取るもの

  愛は試すものだと
  あなたに教えられた

  置き忘れた心に
  哀しい雨が降る

  冷たい時が逝く

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「君と僕のSummer Season」

出会った時から二人
同じ風を感じていたね
すれ違いざまに揺れた
君の長くて黒い髪が
僕の心をやさしく呼びとめた

これからの夏にこぼれる
あの日差しに向かい  翼広げよう
白い波が風を越えて
青い空に手が届きそうさ
君と僕のSummer Season

想い出を刻むみたいに
同じ時を重ねてきたね
すれ違いざまに揺れた
君の澄んだ黒い瞳が
僕の心を強く抱きしめた

オレンジ色の海に溶けてく
あの夕日を見つめ  夢を育てよう
白い風が肩に触れて
君の髪に手が届きそうさ
君と僕のSummer Season

出会ったあの日のリフレイン
同じ星座が空に広がる
この時が続くようにと
想いを重ねるみたいに  僕は
君の肩を強く抱きしめた

澄みきった空に輝く
あの星を見つめ  愛をはぐくもう
青い月が風に揺れて
君のハートに手が届きそうさ
君と僕のSummer Season

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「ノックアウト」

流した涙はきっと僕のせい
つらい気持ちに気づいてあげられなかった

飲み干したカクテルは ペルノーの強い香り
モーション  まるで気づかずに
ノックアウトされたのはきっと僕のほうさ

「頑張らなきゃ恋だって遠ざかってくんだよ」
「多分」「もしも」だなんて  青い春は置き去りにして
リーチの効いたセリフに  もう一度愛を託してみよう

「夏だから海に行こう」なんて
ついさっきまで泣いてたくせに

のんびり屋だと思ってた君の
モーション  まるで盗めずに
のんびり屋だったのはきっと僕のほうさ

「頑張れば夢だって向こうからやってくる」
倒れたままじゃ  青い空とテンカウント
リーチの効いたパンチに  もう一度夢を託してみよう

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「約束」

 「守れない約束なら
   しないほうがいい」

君が最後に残したセリフが
ブラインド越しに見える
夏の木洩れ陽のように
今もまぶしく胸を突き抜ける

破った約束は  子供染みた言い訳

 「会いたい」とだけ書いた  君の手紙に
 「星が叶えてくれるよ」と  咄嗟についた嘘

 「治らない病なら
   あなたのそばにいたい」

君があの日言ったセリフを
紫陽花越しに思い出す
梅雨の止まない雨のように
今も悲しく花の色を変える

約束を破ったのは  きっと君の悪戯

 星が叶える約束の日より  2日も前に
 無言で僕に告げられた  「サヨナラ」

君が残した約束は  僕に残された祈り
1年後の約束の日
来年の星が叶える約束の日

無言の君に会いに行く
守られた約束は・・・
悲し過ぎる「サヨナラ」

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「水曜の朝10時」

あの日と同じ 街並み
あの日と同じ 喫茶店

最近この店に
あなたが顔を出すと聞いたから

いつも決まった曜日 決まった時間
水曜の朝10時 いつもの店で

あの頃と同じ 曜日
あの頃と同じ 時間

心のドアにかけた鍵を外して
この店のドアを叩いた

あの日と同じ マスター
あの日と同じ オーダーはモカブレンド

テーブルに届いたコーヒー
こみあげる想いを飲み干す

以前と変わらぬ笑顔と
以前と変わらぬこの店と

あの日、二人で書いた落書き
2年の年月 テーブルに刻まれたまま

何もかもあの日のまま
あなたへの想いもあの日のまま

想い出にひたる私を
時計の鐘が呼び覚ます

あの日と違う鐘の音
時だけが真実を語り始める

もう帰ろう もう会えない
もうすぐ あなたの来る時間だから

もう帰ろう もう会えない
もうすぐ あなたの来る時間だから

あの日と同じ オーダーはモカブレンド
あなたがくれた キスの香りがした

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「キャンセル待ちの恋」

金曜の夜 ひとりきりの部屋
愛するひとはいない
きっと別の彼女の部屋

土曜日の朝 ひとりきりのテーブル
愛するひとの朝食
あのひとのカップとスプーン

別れたわけじゃないの
気持ち少し 離れただけの事
愛するひとが帰る時を
じっと待つだけの恋
キャンセル待ちの恋

日曜の午後 ひとりきりで歩いた
愛するひとの面影
風の香りに消えてゆく

日曜の夜 一人きりの部屋
愛するひとの電話
待ちわびて泣いたりするけど

忘れようと思ってるの
記憶ずっと 遠くにしまって
あのひとの記憶が消える時を
じっと待つだけの恋
キャンセル待ちの恋

涙まじりの恋
悲しいだけの恋

キャンセル待ちの恋


====== MacBS's Comment ======

この詩は確か高校の頃に
書いたものだと思います。

男性のもう一つの「愛」に
耐える女性のせつなさを
「キャンセル待ち」に託して
表現してみたつもりです。

女性って、寂しがりやさんの
くせに、どこか強がりなところ
ってありますよね。

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