• 254月

    またまた、クマデジタルさんのご疑問より。

    APSの17mmは35mm換算だと大体28mm相当なのですが、実際の
    レンズで使ってみると、その歪み具合は28mm相当というよりも
    17mm相当に近いのではないか?とのこと。

    これは、正直、かなり難しい問題ですね。
    理論上からいえば、収差は画角とは別のもの、といえると思います。

    ここでまず、収差について説明しておかねばいけません。
    色関連でない収差としては「ザイデルの5収差」が有名です。
    この5収差というのは、以下の5つです。

    ・球面収差
    ・コマ収差
    ・非点収差
    ・像面湾曲
    ・ディストーション(歪曲)

    ここで歪みと言われてるのは、おそらくディストーションが主だと
    思います。
    広角ではタル型、望遠では糸巻き型になりやすい傾向があります。

    で、17mmであっても単純に縮小した設計をすれば、相対的な
    ディストーションは同じになるはずなんです。

    でも、実際にはそういかない点があります。
    一番大きなものとしては、フランジバックがあります。

    フランジバックが短いと、レンズを対称形に近い形で設計でき、
    収差が生まれづらくなります。
    レンジファインダーのレンズが歪みが少ないのは、このおかげです。

    同じEOSですとフランジバックは同じですから、APSでは相対的に
    フランジバックが伸びたような感じになって、収差補正は難しく
    なるのではないかと思われます。

    あと、これが実は一番大きいかと思うのですが、EF-Sのレンズが
    単純にディストーションが多い、ということもあろうかと。(^^;

    というのも、最近はデジタル対応で色収差やコマ収差など、等倍で
    確認されやすい収差を徹底的に除去する傾向があります。
    もちろん、他の収差も全て少なくできれば良いのですが、なかなか
    そうもいかないのが実情です。

    そういうバランス的な問題で、ディストーションが残りやすいのでは
    ないかという推測も成り立つかと。

    というわけで、あまりしっかりした結論ではないですが、APSと35mmでは
    抱える課題もそれだけ違ってくる、というお話しなのでした。

    なお、あくまで素人の推論ですので、間違いなどございましたら、
    ご指摘くださいませ。

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    Filed under: Photo
    2007/04/25 10:20 pm | 4 Comments

4 Responses

WP_Lime_Slice
  • shigechan Says:

    どもども。

    色々と考えられる制約事項、例えば
    ・重たくしない≒前玉を大きくしない
    ・AF対応で、軽く駆動可能な内焦光学系を採用する
    などを考慮して収差補正をすると、MacBSさんの仰る通りディストーション
    は補正しきれないことも、十分に考えられます。

    中途半端にディストーションを補正するよりも”素直な”ディストーションを
    残して、後から画像処理で補正した方が良いと言う判断ではないかと。

    コスト無制限で臨めば、ある程度満足の行くレンズが出来ると思います。
    でも売れなければ開発費用が回収出来ませんし、当然ビジネスが成り立たない。
    よって、撮影→画像処理の各工程に応分の負担をかけつつ、最終到達物
    までのコストや所要時間を節約する事が出来れば良し!だと思います。
    そう言う考えが背景にある様な気がします。これも素人の推測ですが。

  • ursa_minor Says:

    はじめまして。クマデジタルさんのところから飛んできました。

    >APSでは相対的にフランジバックが伸びたような感じ
    >になって、収差補正は難しくなるのではないかと思わ
    >れます。
    ↑多少影響はあるとは思いますが、主要因にはなりえないです。
    初代EOS Kiss Digital以降のAPSサイズセンサー搭載EOSデジタルでは、(135サイズセンサー搭載EOSデジタルよりも)ミラー側を避ける設計として後玉の飛び出しを許容しています。
    つまりフランジバックが同じでも、センサー面~レンズ後玉を近づけるようになってます。
    ※:初期のAPSサイズセンサー搭載EOSデジタル(EOS D30、EOS D60、EOS10Dなど)にEF-Sレンズを装着できないことになっているのは、このためです。
    (すなわち、フランジバックを縮めるのと同じことです。)
    ですから、EF-Sレンズの収差補正についてはフランジバックとの因果関係は考えにくいです。

    もっともEF-Sレンズでは「仕様上」後玉をセンサーに近づけることが可能というだけで、全てのEF-SレンズがEF-S仕様に最適化されているかどうか…。

  • MacBS Says:

    shigechanさん、コメントありがとうございます。

    インナーフォーカスでコンパクトサイズ、
    しかもそれなりの高倍率ズームですから、
    いくら最新のコンピュータ設計といっても
    収差を抑えるのは大変なことでしょうね。

    収差というのは、あちらを立てればこちらが立たず、
    なところがありますから、やはり色収差など「デジタル対応」重視で
    設計されているのでしょう。

    サードパーティーのレンズは補正しすぎて、
    陣笠型のディストーションになってるものが多いようです。
    それよりは素直なほうが良いですよね。

    画像処理、PhotoshopのレンズフィルタやDxOのソフトなどで
    簡単に補正できますしね。

    今後はカメラのファームウェアとかで補正したりする
    トータルシステムなども出てくるかもしれませんね。

  • MacBS Says:

    ursa_minorさん、コメントありがとうございます。

    EF-Sは後玉が結構後ろに来れる設計でしたね。
    これは失念しておりました。
    そういえば、IX-Nikkorもそうなってたなぁ。

    まぁ、そういう「配慮」をするということはフランジバックの
    影響があるということの裏返しでもあろうかと。

    また、フランジバックを短くし過ぎると、今度はCCDへの
    入射光が周辺で傾いてしまい、結果として周辺減光が
    生じてしまいます。

    そういうこともありますから、やはりむやみに後玉を
    後ろに持ってくることはできないのでしょう。

    個人的にはズームレンズにディストーションの少なさを
    期待するのは、やや荷が重いのではないかと思っています。

    本来なら、EF-Sで単焦点な広角があれば良いのでしょうが、
    需要としてはやはり少ないのでしょうね。