• 035月

    ゼンハイザーのヘッドフォン「HD598」ですが、その後も夜を中心に愛用しています。
    そんな中でどの音源で聴くのが当面のベストかなと、手持ちの機材で比較してみました。
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    まずはポータブルでは普段、第7世代iPod nanoにPC triple-Cのmini-miniケーブルでALO audio RX MkIIを使って聴いていました。
    この構成だとHD598もこれまでのイヤフォンなどと同様、高域が素直で、LINE OUTがないわりに歪みも少なく現代的に鳴ってくれています。

    ただ、低域がやや薄味に感じますし、やっぱりLINE OUTじゃないところが気になって、iPod classicをDock接続してみることに。
    しかし、想像していたよりもiPod nanoからの情報量の向上がありません。
    高域にもやや濁りがありますし、これはiPod classicのDAC出力のせいなのか、それともFiiOのDockケーブルによるものなのかは定かではありませんが、この組み合わせは意外と好みにはハマってきません。
    ただ、音質だけで言えば、実際にはワイドレンジにはなっているように思います。

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    それではとDock出力のある第5世代のiPod nanoを引っ張り出してきて、これまでAACにして入れていたところをそのままALACで同期しなおして(収録曲数は当然減りますが)、これでDock出力を試してみます。
    するとiPod classicと比べれば高域も伸びましたし、微細な音の粒だちが良くなりました。
    特にアンプをALO audio The Nationalに変えるとさらに相性が良いようで、低域の厚みと高域のバランスがほどよく、音に広がりが出てきます。

    ただ、ここで原点に戻って第7世代iPod nanoをThe Nationalで聴いてみると、低域不足も補われて、歪の少ない現代的な音が楽しめます。
    結局のところ、現状ではポータブルはこの組み合わせがシンプルで良いのかなと。
    第5世代も捨てがたいところはありますから、入れる曲を分けてクラシック専用とかにしてみても良いかも。

    続いてLINNのプリメインアンプ「MAJIK-IL」でもロングケーブルのほうで試してみました。
    まずはMarantzのCDプレーヤー「CD-17Da」ですが、このモデルにはヘッドフォン端子がありませんから、必然的にプリメイン経由でしか鳴らせないのが気軽さという点でやや難点です。
    ポータブル環境と比較しても、格段な差になったという雰囲気ではなく、ごく自然にグレードアップした感じです。
    そうは言っても、とりわけアコースティックな楽器に深みが生まれるように感じますし、この当時のマランツらしい音色です。

    このCDをデジタル出力でATOLL DAC100を通して聴いてみると、ぐんとワイドレンジになったのがスピーカーで聴いている時よりも明瞭に分かります。
    低域はタイトかつしっかりと出ていますし、高域はATOLLの癖なのか、現代的なサウンドゆえなのか、私にはややキツいように感じます。
    先ほども書いたとおり、スピーカーより差が分かりやすいですから、今後の機材チューニングのためのモニタリングに使えそうですね。

    PCオーディオとしても同じくLINNをヘッドフォンアンプにして、ALO audio The Keyを聴いてみますが、これはかなり特性的には厳しさがにじみ出ています。
    一聴すると深そうなんですが、やはり諸々に雑さが出ていて、特性的に劣る部分が見えてしまいます。
    スピーカーで聴く場合は雰囲気で聴いていて悪くないのですが、そこまでしっかり聞き取れるのもHD598の実力といえるでしょう。

    それではとX-DDCを経由してさきほどのATOLL DAC100で聴くと、これはCDからの経由とほぼ同等の音傾向です。
    帯域はThe Keyより断然広大なのですが、残念なことにやはり高域が私には耳障りなんですよね。
    ここをケーブルなどでなんとかできれば良いのですが、DAC100にはいつもここで悩まされています。

    反面、据え置き機での音を聴くと、まだまだポータブルに伸びしろがあるようにも感じます。
    LINNのヘッドフォンアンプ部もそれほど高品位なものではないはずで、やっぱり強化ポイントはケーブルかな。
    HD598のリケーブルもそうですし、mini-miniケーブルもまだ改善の余地がありそうです。
    とりわけ、FiiOのDockケーブルを見直したら、さらに改善されるかも!?と思うのですが、もう役目を終えて割安になってるかと思うDock-miniケーブルもまだまだ高止まりなんですよね。

    総合的にHD598自体のレビューというよりは手持ちの機材比較になってしまいましたが、そうした細やかな違いを明らかにしつつ、飽きずに穏やかに聴けるところがHD598の最大の魅力ではないかと思います。
    ちょっともったいないですけど、寝るときに聴きたくなるヘッドフォンだというのが私の今のところの総合的な感想(というよりも聴いていて寝ちゃうだけ)です。

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    Filed under: Audio
    2015/05/03 7:00 pm | SENNHEISER HD598 レビュー 音源比較編 はコメントを受け付けていません

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